旅は道連れ

 ノスタルジーをもって語られることも多い寝台列車。寝台にもぐりこむ前、隣り合った人たちと、挨拶程度の会話がかわされていました。
「学生さんですか?」
「ええ、1年ぶりに帰省するんです」
「ご両親も喜ばれたでしょう。冷凍ミカン、食べますか?」
「すみません。ありがとうございます」
 車内では自然に会話も生まれ、旅の情報などの交換も日常的な光景でした。一人旅であっても、誰とも口をきかない旅ではありません。自分の住む街を出て、見知らぬ人と会話をすること自体が若者の必修科目のようでもありました。

 と、古き良き時代を振りかえりつつも、そのエッセンスを現代や未来にどう伝えていくかが問題です。
 たとえばB寝台ではカーテンでプライバシーと公を隔てられていますから、そこには常識的なルールがあり、マナーが求められます。
 通勤電車で化粧する女性が話題になったのは数年前ですが、プライバシーと公共の場の概念も溶解してしまったフシもある現代、「ハコ」だけを復活させても、うまくなさそうです。

「子供づれで乗ることもあるので小さな子供が喜ぶ何かがほしいです」
「気心知れた人と語らいのひと時を過ごす、囲碁サロンカー、歌声喫茶ルームなど過ぎる時間を忘れ、終点に到着するのがもったいない列車」
 という声もあったように、家族連れやグループでの旅行も大きな要素ですから、見落とすわけにはいきません。そのための設備や運用の方法も整理・検討を加えていく必要がありますね。

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